薄緑紋緞子地 菊に水車文様本振袖 (瑞穂)

羽田登喜男

1979年

現代衣装:京都丸紅所蔵品

紋緞子地に水車を大きく配し、大輪の菊花で華やかさを表現している。裾には秋草がシルエットで描かれ、水車との奥行きを感じさせる。大胆な構想と、それを的確に表現する技術がなくては生まれえない逸品である。題名の「瑞穂」は、豊かな日本の風土を象徴し、水車は作者である羽田氏自身の昂揚と美展の隆盛への願いが込められている。この作品は、第百回秋の美展で特選第一席を受賞した。
羽田登喜男
1911年金沢生まれ。加賀友禅を学んだ後、20歳で京都に移り、京友禅を学んで1937年に京友禅作家として独立。1957年日本工芸会正会員。自然を題材にした写実表現と繊細な色使いの融合が高く評価され、1988年に友禅の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。1996年リヨン染織美術館にて「羽田家のキモノ展」開催。2008年逝去。
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